今月31日を投票日に予定した衆議院総選挙を前に与野党ともに賃金分配の増大を促す政策を公約に唱えているが、まこと黒田日銀総裁が就任以来8年以上の長きに亘って拘り続けてきた物価の上昇よりも、サラリーマン世帯への所得分配を拡大することの方が経済を拡張的にするにはよりストレートな手立てであろう。

 しかし、そこで気に係る点として、近年頓に増えた派遣労働者への賃金支払の実態だ。

 派遣労働に従う人々は就業先の事業者からではなく派遣会社から給与を受け取る仕組みとなっているが、その賃金計算の締日と賃金支払日は派遣会社に依ってまちまちで、中には締日から支払日の間隔を1ヶ月もの長きに亘る時間を措いた派遣事業者が在ると聞く。

 わが国における基本法典の一たる労働基準法24条2項本文は労働者への賃金支払を毎月1回以上、一定の期日を定めて果たさねばならぬと規定するが、派遣労働者の労働実績を総括する賃金計算の締日から1ヶ月もの時間を隔て初めて賃金を支払うとした事業態度は明らかにわが国の基本法典が求める"正義"と背馳する。

 斯様な派遣事業者が当局によって認可されていることが大いに疑問であり、健全な社会常識から妥当と思われる賃金計算の締日と支払日との時間的な懸隔を設けるよう派遣事業者に求めるべく、来る総選挙で国民から信任された政権は努めて欲しい。


カテゴリー : 政治